一覧に戻る>
芦屋の時間 大コレクション展
  • 開催日:2020年9月19日 ~2020年11月8日


 
Movies
チラシ / 出品リスト
プレスリリース
 
会期:2020年9月19日(土)-11月8日(日)
休館日:月曜日(ただし9/21は開館、9/23は休館)
開館時間:10:00-17:00(入館は16:30まで)
会場:芦屋市立美術博物館
観覧料:一般500(400)円、大高生300(240)円、中学生以下無料
□ 同時開催「芦屋の歴史と文化財」
※( )内は20名以上の団体料金
※ 高齢者(65歳以上)および身体障がい者手帳・精神障がい者保健福祉手帳・育手帳をお持ちの方ならびにその介護者の方は各当日料金の半額になります。
※リピート割引:本展チケットの半券をご提示いただいた方は、団体割引料金でご覧いただけます。
(1枚につきお一人様1回限り、他の割引券との併用不可)
主催:芦屋市立美術博物館

後援: 兵庫県、兵庫県教育委員会、公益財団法人兵庫県芸術文化協会、神戸新聞社、
NHK神戸放送局、Kiss FM KOBE

 
 
芦屋市立美術博物館、どこにあるか、ご存知ですか?
ここです。
 

 
駅からわりと遠い、そんな印象をもたれるかもしれません。
でも、芦屋川に沿って進む美術博物館への道のりは、とても気持ちがいいんです。
ひとりで気楽に時間を過ごす、お散歩のような楽しさがあります。
 
今から100年ちょっと昔には 、このへんのどこかを、小出楢重も歩いていたでしょう。
今から70年くらい前に結成されたアーティスト集団「具体美術協会」(具体) 、その中心メンバー吉原治良の家も、この近くにありました。
芦屋公園では、「具体」 の野外展覧会も開かれていました。
小出楢重、吉原治良以外にも、多くのアーティスト達がこの地に暮らし、語り、作品をつくっていました。
時間が少し違うだけ、ほとんど同じ地域で、自由で斬新な表現を、アーティスト達は、追求していたんです。
 
今からちょうど30年前、芦屋市立美術博物館ができました。
30年という時間をかけて、地域も超えて、たくさんの作品が集まってくれました。
そして、今、唯一無二のユニークなコレクションを形づくっています。
当館のコレクションを支える作家は、126名にも及びます。
 
「芦屋の時間 大コレクション展」では、開館からの歴史で初めて、すべての作家が登場します。
できるだけたくさん、作品を並べます。
「お、こんな作品があったのか」というような、初めての出会いもあるでしょう。
また、「いつも見てる」とか「もう見飽きた」と思った作品が、あらふしぎ、いつもと違ったように見えてくるかもしれません。
多くの作品と出会うことで、いつもと違う、作品の表情が見つかると思います。
 
これが限界、もうムリ、というくらい、たくさん展示しますが、そんなことをするのは、初めてのことです。
なんでそんなこと、したいんでしょう。
「作品なんて、いつでも見られるじゃないか」という考えに抗いたいからです。
確かに、すべてこの館に収蔵されているんですから、収蔵庫から出してくれば見られます。
また、今後も、同じ作品を見る機会はあると思います。
いつでも見られる、という言い方は、ある意味で、その通りなんでしょう。
 
でも、「いつでも見られる」にしても、「もう二度とない」だろうこのような展覧会に並ぶと、それは「今しか見られない」表情を持つんじゃないでしょうか。
孤高の、とっつきにくいと思ってた作品が、このにぎやかな展覧会の中で見ると、案外、優しい、親しげな側面があることに気づくというようなことが、あるんじゃないでしょうか。
 
あるいは、たくさんの作品の中で、ふと、「何度も見てきたけど、お前さん、意外と小さいんだな」と、そんなふうに、作品に語りかけるような、親しげな気持ちに自分自身がなるんじゃないでしょうか。
収蔵作品は、新作だった時代の、イケイケだったその時の文脈から断ち切れて、収蔵庫の中で、大事な部分だけを残し、むしろ作品として研ぎ澄まされて、今、生きている私たちに見られるのを待っています。
新作だった時には見つからなかった「新しさ」を見つけてくれるのを、作品たちは、今か今かと、待っています。
 
だから、これまで何度も来たよ、という常連さんも、初めて行くねというかたも、大歓迎の展覧会なんです。
時間をかけて見てもいいし、全体を、ざっと眺めるだけでも、面白いかもしれません。
 
いずれにせよ、にぎやかで、楽しい展覧会です。
散歩にもぴったりな季節、ぜひ遊びにいらしてくださいね(ひとりで見に来ても、さみしい気持ちになりません)。
 
 
■作家 126名
青山洋子/東 貞美/蟻田 哲/粟津 潔/飯島一次/飯塚二郎/伊藤継郎/井上覺造/今井俊満/今井祝雄/植木 茂/上前智祐/上羅芝山/浮田要三/瑛九/江見佳彦/大植基正/大西博文/大橋エレナ/大橋洋子/大橋了介/荻須高徳/小野田 實/片岡真太郎/金山 明/上山二郎/鴨居 玲/川崎ヒロ子/菅野聖子/聴濤襄治/喜谷繁暉/木梨アイネ/木下あづさ/木村 敏/清水九兵衛/国枝金三/黒田重太郎/小磯良平/小出卓二/小出楢重/小出泰弘/高麗清治/小杉武久/近藤南海子/坂本昌也/嶋本昭三/白髪一雄/白髪富士子/菅井 汲/杉浦康平/鷲見康夫/関根美夫/田井 智/高岡徳太郎/高﨑元尚/田中敦子/田中さつき/田中哲子/田中竜児/田村孝之介/津田青楓/津高和一/坪内晃幸/戸谷成雄/中川佳宣/仲田好江/中村錦平/中村徳次郎/名坂千吉郎/名坂有子/鍋井克之/長谷川三郎/ハナヤ勘兵衛/原田五郎/福井市郎/藤井二郎/藤田嗣治/舟越保武/古家 新/紅谷吉之助/堀内正和/堀尾昭子/堀尾貞治/前川 強/正延正俊/増田正和/松井 正/松田 豐/松谷武判/松葉清吾/松原重三/三島喜美代/向井修二/村井正誠/村上公也/村上三郎/元永定正/柳原義達/山川健一郎/山口牧生/山崎隆夫/山崎つる子/山崎福之助/山下哲郎/山田皓斎/山田正亮/山根 耕/山内国夫/山本直治/遊上陽子/吉田一夫/吉田喜蔵/吉田稔郎/ヨシダミノル/吉原治良/吉原英雄/吉原通雄/淀井敏夫/渡辺信子/土佐派/作者不詳/狩野探雪/Bourdelle, Emile-Antoine / Joumard, Veronique / Nash, David / Oscar Pereira da Silva
 
 
■展示数 約180点(予定)
 
 

 
【図版】
(1)吉原治良 《白地に黒い円》 1967年 油彩、布
(2)名坂千吉郎 《SERVOLINE3》 1967年 プラスティック塗料、鉄板、木
(3)元永定正 《作品》 1962年 油彩、水性樹脂塗料、綿布、板
(4)田中敦子 《作品》 1954年頃 インク、芯地、接着剤
© Kanayama Akira and Tanaka Atsuko Association
(5)聴濤襄治 《マックスウェルのこま》 1970年頃/1990年 ステンレス
(6)ハナヤ勘兵衛 《嬢ちゃんの御帰り》 1936年 ゼラチンシルバー・プリント
(7)福井市郎 《猫をだく自画像》 制作年不詳 アクアチント、紙
(8)長谷川三郎 《芦屋浜風景》 1923年 油彩、布
(9)小出楢重 《ソファーの裸女》 1930年 油彩、ガラス
(10)植木 茂 《トルソ》 1980年頃 木
全て芦屋市立美術博物館蔵
 
 
■会期中こんなことやります!
●その1
毎日2回、展示作品の解説をツイートします。作品の画像や映像をまじえながら、臨場感あふれるツイートを目指します。
*少人数での作業になりますので、遅れることがあるかもしれませんが、できるだけがんばります。
 
●その2
各作家のキャプション解説の「掲示替え」を行います。
*作品の展示替えではありません。同じ作家、作品の、違った見方、感じ方の一助になればうれしいです。
前期:9月19日(土)から10月11日(日)
後期:10月13日(火)から11月8日(日)
 
企画協力:福永信(小説家)
企画:大槻晃実(芦屋市立美術博物館学芸員)、尹 志慧(芦屋市立美術博物館学芸員)
デザイン:鈴木大義
撮影:守屋友樹(写真家)