展覧会 次回

  • 「具体美術協会と芦屋、その後」 new

    • 開催日:2025年7月5日 ~2025年8月31日

     
    プレスリリース
     

    会 期 2025年7月5日(土)-8月31日(日)10:00-17:00(入館は16:30まで)
    休館日 月曜日(休日の場合は翌平日)
    (ただし、7月21日(月・祝)、8月11日(月・振休)は開館、7月22日(火)、8月12日(火)は休館)
    観 覧 料 一般900(720)円、大高生500(400)円、中学生以下無料
    ※( )内は20名以上の団体料金
    ※ 高齢者(65歳以上)および身体障がい者手帳・精神障がい者保健福祉手帳・療育手帳をお持ちの方とその介護者の方は各当日料金の半額
    ※7月12日(土)は「ひょうごプレミアム芸術デー」のため観覧無料
    開館時間 10:00-17:00(入館は16:30まで)
    会 場 芦屋市立美術博物館
    主 催 芦屋市立美術博物館
    後 援 兵庫県、兵庫県教育委員会、公益財団法人兵庫県芸術文化協会、神戸新聞社、NHK神戸放送局、Kiss FM KOBE
    企画協力 モトナガ資料研究室、岡本隆子(HEAR)、能美亮士

     
     

    《展覧会概要》
     本展では、1954年に芦屋で結成された「具体美術協会」(具体)が1972年に解散するまでの18年間の活動を振り返り、なかでも1970年の日本万国博覧会(大阪万博)の参加に向けて準備を進めていた60年代後半からの「具体」の動向を紹介します。
     また、1972年と1974年に芦屋のルナ・ホールや滴翠美術館で開催された「芦屋川国際ビエンナーレ」、1973年から1975年にルナ・ホールで開催された「ルナ・フェスティバル」を資料などから紹介し、芦屋の美術の時間を辿ります。
     
     
    《展示構成》
    第1部:具体美術協会 1954-1972
     具体美術協会(具体)は、戦前より二科会や九室会などで活躍していた前衛画家の吉原治良(1905-1972)が中心となり1954年に芦屋で結成された、戦後日本美術を代表する美術家集団です。
     1972年に吉原が急逝したことで解散した「具体」は、吉原や会員たちが屋内のみならず、野外や舞台、空中までをも発表の場とし、多様な造形や絵画、立体作品などを通して先鋭的な表現を果敢に追求していきました。18年間という長い期間にわたって活動してきた彼らの仕事の数々は、「具体」というグループだからこそ成し得た表現であったといえます。
     第1部では、結成からフランスの美術評論家ミシェル・タピエと出会うまでの「初期」(1954~1957年)、「アンフォルメル」の動向と併走していく「中期」(1957~1965年)、テクノロジーと密接に結び付いた表現や、幾何学的抽象やハードエッジの作品など、当時の最先端の技術や傾向を取り入れる作家たちが入会し会員数が増大した「後期」(1965~1972年)というように「具体」を3つの期間に分け、その一連の仕事を俯瞰し活動を辿ります。その中でも特に、1970年の日本万国博覧会(大阪万博)の参加に向けて準備を進めていた60年代後半からの「具体」の動向に注目していきます。
     

     
     
    第2部:「具体」が芦屋へもたらした、新しい息吹
     1970年代の芦屋において、国際的なビエンナーレや芸術祭が開催されていたことはご存知でしょうか。
    1972年、芦屋のルナ・ホールで開催された「芦屋川国際ビエンナーレ」は、吉原に影響を受け若手作家の支援に尽力していた芦屋在住の真壁義昌の発案のもと、「具体」会員の松谷武判と未生流の肥原俊樹たちによって企画されました。1974年に開催された第2回展は、19カ国から53名の作家の作品が滴翠美術館で一堂に展覧された大規模な展覧会として特筆されます。さらに、ルナ・ホール開館5周年を記念して1975年に開催された「第3回ルナ・フェスティバル」は、ホールの設計を手がけた建築家の山崎泰孝を中心に芸術家たちによって企画されたもので、約20日間にわたりルナ・ホールや芦屋川のほとりで美術・詩・音楽・演劇などの展示やイヴェントが行われ、多くの注目を集めました。一方、芦屋在住の実業家・植野藤次郎によって創設された「ジャパンエンバ美術コンクール」は「具体」会員の吉田稔郎が運営に関わり、1978年から17年間にわたり開催されました。第2部では、芦屋を発信地として文化・芸術の領域を拡げたこれらの動きとあわせ「具体」の登竜門として知られ現在も続く芦屋市展(1948-)を紹介し、「具体」が芦屋へもたらした影響とその革新性を考察します。
     

     
     
    《本展の特徴》
    1. 具体美術協会(具体:1954-1972)の全期の活動を所蔵作品だけで紹介できるのは当館だけ。
     当館は、芦屋ゆかりの前衛美術集団である「具体」会員たちの作品を1991年の開館以前の準備時代より収集してきました。この作品群は、世界に誇る珠玉の「具体」コレクションとなっています。本展では、当館コレクションから「具体」会員37名の作品約50点によって18年間の「具体」の活動を紹介します。
     
    2. 「具体」が芦屋へもたらした、新しい息吹
     「具体」で活動していた作家たちは1972年の「具体」解散後も、精力的に制作を続け様々な展覧会で発表します。一方で吉田稔郎や元永定正、松谷武判、今井祝雄らは、1970年代にルナ・ホールや滴翠美術館など芦屋の各所で開催されたビエンナーレや芸術祭などの企画に関わり、最新の美術・芸術の動向を発信しました。第2部では、この度の調査で当時の資料が数多く発見されたことで見えてきた、1970年代の芦屋の美術の動きを、作品と資料から辿ります。
     
    3.  幻の記録音源を初公開
     ルナ・ホール開館5周年を記念し、開催された「第3回ルナ・フェスティバル〈いま 芸術は・・・〉」(1975)に出演したタージ・マハル旅行団の演奏の音源や、元永定正のカーペインティングの記録音源を、記録写真とともに特別公開します。
    展示協力:岡本隆子(HEAR)、能美亮士
     
    4.  本展開催にあわせて「具体」作品をモチーフにしたグッズを製作
     
     
    《出品作家》

    東貞美、今井祝雄、上前智祐、浮田要三、大原紀美子、小野田實、金山明、
    菅野聖子、聴濤襄治、喜谷繁暉、木梨アイネ、坂本昌也、嶋本昭三、白髪一雄、
    白髪富士子、鷲見康夫、田井智、高崎元尚、田中敦子、田中竜児、坪内晃幸、
    名坂千吉郎、名坂有子、堀尾昭子、堀尾貞治、前川強、正延正俊、松谷武判、
    松田豐、向井修二、村上三郎、元永定正、山崎つる子、吉田稔郎、ヨシダミノル、
    吉原治良、吉原通雄 など

     
    出品作品:約50点 *資料等約100点 (予定)
     
     
    《関連イベント》*詳細は当館HPへ
    (1)講演会「『具体』とアメリカ抽象表現主義」
    日 時:7月6日(日)14:00ー15:30
    講 師:大島徹也(多摩美術大学芸術学科教授、多摩美術大学美術館館長)
    会 場:講義室
    定 員:80名(どなたでも)
    参加費:無料(ただし要観覧券)。申込不要、直接会場へ
     
     
    (2)講演会「具体美術協会と1970年の大阪万博」
    日 時:8月9日(土)14:00-15:30
    講 師:加藤瑞穂(美術史家)
    会 場:講義室
    定 員:80名(どなたでも)
    参加費:無料(ただし要観覧券)。申込不要、直接会場へ
     
      
    (3)講座「1970年代の芦屋の芸術-芦屋川国際ビエンナーレ、ルナ・フェスティバルなど」
    日 時:8月17日(日)14:00-15:30
    講 師:大槻晃実(本展担当学芸員)   
    会 場:講義室
    定 員:80名
    参加費:無料(ただし要観覧券)。申込不要、直接会場へ
     
     
    (4)ワークショップ「元永定正さんの“流し”の絵画を体験しよう」
    日 時:7月26日(土)13:00-16:00
    講 師:川原百合恵(当館学芸員)  
    会 場:体験学習室
    対 象:20名、小学生以上 *要事前申込
    参加費:500円、要観覧券 
    ご希望の方は、7月15日(火)までに芦屋市立美術博物館宛
    メール(ashiya-bihaku@shopro.co.jp)もしくはお電話(0797-38-5432)にて
    お名前・年齢・ご住所・ご連絡先(電話・メールアドレス)を添えてお申し込みください。
    応募者多数の場合は抽選。
     
      
    (5)学芸員によるギャラリートーク
    日 時:7月12日(土)、8月3日(日) いずれも14:00から 1時間程度
    会 場:展示室
    参加費:無料(ただし要観覧券)。申込不要、直接会場へ
     
     
    (6)ボランティアスタッフによる鑑賞サポート
    日 時:会期中毎水曜日 いずれも13:00から16:00(当日変更になる可能性あり)
    会 場:展示室
    参加費:無料(ただし要観覧券)。申込不要、直接会場へ