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阪神沿線の文化110年 モダン芦屋 クロニクル-アート、ファッション、建築からたどる芦屋の芸術
  • 第1展示室、第2展示室、歴史資料展示室、ホール
  • 開催日:2015年5月23日 ~2015年8月2日

開催趣旨:六甲山を背景に大阪湾が開ける温暖な気候に恵まれた自然環境をもつ芦屋は、芦屋、打出、三条、津知の4つの村からなる農業、漁業の営まれた地域として白砂青松とうたわれるのどかな場所でした。明治中頃より芦屋は鉄道の開通とともに急速に発展、大正初めには阪神間を代表する健康地として注目され、商人の街大阪と貿易港として栄えた神戸という近代都市で働く人々の理想的な住宅地として人気を博します。そこでは、日本の伝統様式を重んじながら西洋の生活様式が取り入れられた新しいライフスタイルが築かれ、阪神間モダニズム文化が形成されていきました。そのような中、美しく風情ある明媚な環境とモダニズム文化を背景に、画家や写真家たちが芦屋に居を構え、互いに影響を与えながら数々の名作を生み出しています。
本展では、近代化が飛躍的に進んだ明治末から昭和初めの芦屋のライフスタイルを、建築、文芸、生活に関する資料等から紹介するとともに、芦屋ゆかりの画家、小出楢重や上山二郎、長谷川三郎、伊藤継郎、吉原治良のほか、新興写真運動の先駆けとなった芦屋カメラクラブ、戦後の日本を代表する前衛美術グループ具体美術協会を紹介し、文化の香りただよう街、芦屋の歴史を辿ります。

阪神沿線の文化110年展実行委員会は、尼崎市総合文化センター、西宮市立郷土資料館、西宮市大谷記念美術館、白鹿記念酒造博物館、芦屋市立美術博物館、芦屋市谷崎潤一郎記念館、BBプラザ美術館、阪神電気鉄道株式会社の8機関で構成され、阪神電鉄大阪-神戸間開通110年を記念し、2015年3月28日-8月30日の間、各館で関連展覧会を順次開催いたします。

開館時間:午前10時-午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日(ただし、7月20日は開館、7月21日は休館)
観覧料:一般500(400)円、大高生300(240)円、中学生以下無料
7月20日(月・祝)はどなたでも無料で展覧会をご覧いただけます。
※( )内は20名以上の団体料金
※高齢者(65歳以上)および身体障がい者手帳・精神障がい者保健福祉手帳・療育手帳をお持ちの方ならびにその介護の方は各当日料金の半額になります。
主催:芦屋市立美術博物館、阪神沿線の文化110年展実行委員会
後援:兵庫県、兵庫県教育委員会、芦屋市、芦屋市教育委員会、尼崎市、尼崎市教育委員会、神戸市、神戸市教育委員会、西宮市、西宮市教育委員会、公益財団法人兵庫県芸術文化協会、神戸新聞社、NHK神戸放送局、Kiss FM KOBE
協力:ジュンク堂書店芦屋店

■展示構成
プロローグ/芸術家が見た芦屋
大阪と神戸にはさまれた阪神間は、明治時代の鉄道の開通とともに大阪商人の別荘地、郊外住宅地として急速に発展、ライフスタイルの近代化が進みました。本章では、1920年代以降の芦屋のモダンな風景やライフスタイルを、絵画作品や写真資料などで紹介します。

芦屋の芸術 1920年-1960年代
六甲山を背景に温暖な大阪湾が開ける恵まれた自然環境をもった芦屋は、商人の街大阪と貿易港として栄えた神戸という近代都市で働く人々の休息の場や生活の場として展開していきました。このような風土を背景として芦屋に居住した芸術家は多く、芦屋の地が文化発展の場として重要であったことを物語ってくれます。本章では、小出楢重、吉原治良、伊藤継郎といった洋画家や芦屋カメラクラブ、具体美術協会など、芦屋ゆかりの芸術を紹介します。

近代化の夜明け前~江戸から明治へ
芦屋では明治38(1905)年の阪神電鉄の開通を嚆矢として、大正2(1913)年の国鉄芦屋駅の開設、同7年の阪急電鉄の開通により、交通網が次第に発達しました。大阪、神戸間を結ぶ電鉄の開通は多くの人々が当地域を訪れるきっかけとなりました。本章ではまず、電鉄が開通する以前、近代化の夜明け前の芦屋のまちなみにご注目頂きたいと思います。

名建築の爛熟期~1900年代前半を中心に
交通網の発達により、街の近代化が急速に進んだ芦屋ですが、環境の良い風光明媚な土地柄であることから、居を構える人々が増え、阪神間の郊外住宅地として発展を遂げました。芦屋とその周辺地域における名建築の数々をご紹介するとともに、郊外住宅地として発展を遂げた芦屋のまちの歩みを辿ります。

新たなライフスタイルの時代~1880年代後半から戦後まもなく
郊外住宅地として発展を遂げた芦屋のまちに住む人々の暮らしぶりとは、どのようなものであったか、当時の写真や絵葉書はそれを語りかけてくれます。本章では、阪神間モダニズムとその後の時代における衣・食・住の人々のライフスタイル、そして娯楽活動に焦点を当てます。

歴史がつくる現代~戦後から現代へ
戦後まもなくの復興、海浜部への都市計画の発展、多くの文化施設の建造など、国際文化住宅都市としてさらなる発展を示す芦屋のひと昔前の歴史をご紹介します。また、芦屋の歩んできた歴史がどのような形で今なお語り継がれているのかという点にも焦点を当てることで、歴史からわたしたちが何を学ぶことができるか、考えて頂きたいと思います。

■総展示数
約200点

■作品


1.吉原治良 《鯔とチューリップ》 1928年 油彩、布
2.上山二郎 《海水浴》 1927年 油彩、布
3.福井市郎 《猫をだく自画像》 制作年不詳 アクアチント、紙
4.小出楢重 《横たわる裸女A》 1928年 油彩、布
5.長谷川三郎 《赤の静物》 1934年 油彩、布
6.高麗清治 《無題》 1930年頃 ゼラチンシルバー・プリント
7.ハナヤ勘兵衛 《船》 1930年 ゼラチンシルバー・プリント
8.吉原治良 《白地に黒い円》 1967年 塗料、布
9.『摂津名所図会』 1796-98年
10.《芦屋仏教会館図面》 1925年

■関連事業
(1)建築見学会
日時:①5月24日(日)13:00-17:00 ②7月5日(日)13:00-17:00
コース:①打出モダニズムコース(芦屋市立図書館打出分室~富田砕花旧居~芦屋市谷崎潤一郎記念館~芦屋市立美術博物館)
②芦屋川の文化的景観コース(旧山邑家住宅(現ヨドコウ迎賓館)~芦屋仏教会館~ルナホール~ギャラリー開雄~旧芦屋遊園乗合バス待合所~芦屋市立美術博物館)
講師:藤井康憲(当館学芸員)
参加費:各600円(資料及び保険代、観覧券付)
定員:各30名
■申込方法
往復はがきにご希望のイベント、住所、氏名、年齢、連絡先をご記入の上、当館までお送りください。①5月15日(金)必着。②6月26日(金)必着。※応募者多数の場合は抽選とさせていただきます。

(2)クラシックコンサート「芦屋モダニズムに思いを馳せて」
日時:6月14日(日)14:00-(約45分)
演奏:ヴァイオリン:松浦奈々(日本センチュリー交響楽団コンサートミストレス)、
パーカッション:安永友昭(日本センチュリー交響楽団首席ティンパニ奏者)、ピアノ:宋和純
会場:エントランスホール、ホワイエ(予定)
参加費:無料(ただし、要観覧券)
※直接会場へお越し下さい。

(3)芦屋を楽しむ茶話会
日時:6月28日(日)14:00-16:00
講師:廣瀨忠子(当館館長)
会場:ギャラリー開雄(旧菅原開次郎邸:大正期に建てられた築100年の洋館)
参加費:1,000円(お茶、観覧券付)
定員:40名
協力:ギャラリー開雄
■申込方法
往復はがきにご希望のイベント、住所、氏名、年齢、連絡先をご記入の上、当館までお送りください。
6月5日(金)必着。※応募者多数の場合は抽選とさせていただきます。

(4)見学会「阪神電車のわくわく探検ツアー」
日時:7月30日(木)9:00-16:00
会場:阪神電車尼崎工場、芦屋市立美術博物館
参加費:無料(ただし、保護者の方は要観覧券)
定員:30名(※小・中学生とその保護者)
■申込方法
往復はがきにご希望のイベント、住所、氏名、年齢、連絡先をご記入の上、当館までお送りください。
7月10日(金)必着。※応募者多数の場合は抽選とさせていただきます。

(5)学芸員によるギャラリートーク
日時:5月30日(土)、6月27日(土)、7月18日(土)全て14:00-(約1時間)
参加費:無料(ただし要観覧券)