春ひらく―芦屋のたからもの ~今に伝わる神社、寺院の宝物~
プレスリリースはこちら→芦屋のたからもの展プレスリリース(PDFサイズ729KB)
開催趣旨:古代から交通、文化の要衝として栄えた芦屋には、今も人々の崇拝を集める神社、寺院がありますが、それぞれの寺社には、歴史ある「たからもの」が大切に守り継がれてきています。
これらの今に伝わる「たからもの」のうち、このたび当館に寄託された打出天神社の地車(だんじり)の水引幕、当館収蔵の岩園天神社の絵馬をはじめ、平成27年に修復を終えた芦屋神社の鳳輦(ほうれん)、今回初公開となる、伝猿丸太夫木像など、神社に伝わる「たからもの」をご覧いただきます。
また、芦屋には中世に仏教の普及に努めた徳本上人の足跡が残されており、市内各地区には寺院が多く存在します。遺跡として伝わる芦屋廃寺は、瓦や須恵器を現代に遺すのみで謎に満ちていますが、遺物を通して、古代の寺の姿を彷彿とさせます。
さらに、親王寺の寺宝、流水文銅鐸、三角縁波文帯三神二獣鏡は、およそ四半世紀ぶりに公開されます。
芦屋に伝わる「たからもの」を通して、いにしえのロマンに想いをはせ、芦屋の伝統に触れていただくことで、このまちの魅力を改めて感じ、「たからもの」を、後世に守り伝えていく機会となれば幸いです。
休 館 日:月曜日
開館時間:10:00-17:00(入館は閉館の30分前まで)
観覧料:一般600円(480円)、大高生400円(320円)、中学生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金
※ 高齢者(65歳以上)および身体障がい者手帳、精神障がい者保健福祉手帳、療育手帳をお持ちの方ならびにその介護の方は各当日料金の半額
※「芦屋睦の宮詣で」(芦屋市内6神社のスタンプラリー)で全てのスタンプを集め、台紙をお持ちいただいた方は団体料金となります。
※ 観覧無料の日(5月7日(日)、20日(土)、21日(日))
主催:芦屋市立美術博物館
後援:兵庫県、兵庫県教育委員会、公益財団法人 兵庫県芸術文化協会、神戸新聞社、NHK神戸放送局、ラジオ関西
協力/芦屋神社、芦屋市神職会、芦屋市神社総代会、岩園天神社、打出天神社、打出総代会地車保存会、公益財団法人 芦屋仏教会館、親王寺
■主な展示品
1.三角縁波文帯三神二獣鏡(親王寺蔵)
<芦屋市指定文化財>
宝永年間(1704-1710)
阿保親王塚出土
2.伝猿丸太夫木像
(芦屋神社蔵)
江戸時代
3.岩園天神社絵馬 牛若丸鞍馬山修行之図
(芦屋市立美術博物館蔵)
明治12(1879)年
4.打出天神社地車水引幕(部分)(芦屋市立美術博物館寄託)
昭和9(1934)年
5.鳳輦(芦屋神社蔵)
昭和5(1930)年
6.燭台(芦屋仏教会館蔵)
昭和時代
7.流水文銅鐸(親王寺蔵)
<芦屋市指定文化財>
宝永3(1706)年堂ノ上出土
・八稜鏡(芦屋神社蔵) 昭和9(1934)年
・扁額(芦屋神社蔵) 天保4(1833)年ほか
・獅子・狛犬像(芦屋神社蔵) 昭和時代
・石製銙帯(親王寺蔵)<芦屋市指定文化財> 宝永年間(1704-1710)四ツ塚出土
・伊勢物語絵巻 江戸時代
・伊勢物語画帖 江戸時代
・徳本上人像 江戸時代
・燭台(芦屋仏教会館蔵) 昭和時代
・芦屋仏教会館設計図面 昭和2(1927)年頃
・芦屋廃寺出土軒平瓦 奈良時代
※表記のないものは当館蔵
など総展示数約80点
■関連イベント
1 オープニングイベント
講演会「芦屋睦の宮詣で―芦屋の神社をたずねて」
日時 4月1日(土) 14:00~15:00
場所 芦屋市立美術博物館 講義室
定員 60名
講師 山西康司氏(芦屋神社、打出天神社宮司)
聴講無料(ただし要展覧会チケット)、事前申込不要
2 ウォークイベント―桜の芦屋あるき―
日時 4月2日(日) 13:00~16:00
内容 打出天神社、親王寺、津知日吉神社等市内寺社を巡ります。
その後、芦屋川沿いの桜並木を通り、当館にて展覧会を鑑賞いただきます。
定員 20名(応募多数の場合は抽選)
参加費 200円(保険代含む。要別途展覧会チケット)
※要事前申込み(往復はがきによる申込(住所、氏名、年齢、電話番号、「芦屋あるき参加希望」
と明記)※3月21日(火)必着。応募者多数の場合は抽選。
※小雨決行
3 ホールコンサート「マリンバで彩る伝統の響き」
日時 4月16日(日)14:00~15:30
場所 芦屋市立美術博物館 1階ホール
出演 八重崎 渚氏 川内まり子氏 山口彩菜氏
定員 100名
鑑賞無料(ただし要展覧会チケット)、事前申込不要
4 講演会
①「親王寺の歴史と宝物 ―山口県萩市へ 毛利家文書を求めて―」/阪口忠之氏(親王寺役員)
②「タマムシと仏教 ―美術と博物の融合―」/花木宏修氏(親王寺住職)
日時 5月6日(土) 14:00~15:00
場所 芦屋市立美術博物館 講義室
定員 60名
聴講無料(ただし要展覧会チケット)、事前申込不要
5 芦屋講談「芦屋の昔話を語る」※講談と寸劇
日時 5月7日(日)14:00~15:30
場所 芦屋市立美術博物館 講義室
出演 旭堂南陵氏 他一門
定員 60名
聴講無料(観覧無料の日:展覧会チケット不要)、事前申込不要
6 ギャラリートーク
日時 4月15日(土)、4月30日(日)、5月14日(日)14:00~15:00
会場 展示室
参加費:無料(ただし要展覧会チケット)
第34回芦屋市造形教育展
休館日:2月20日(月)
開催趣旨:市内の幼稚園・小学校・中学校生徒の作品を全館にわたり展示します。
開館時間:午前10時―午後5時(入館は4時30分まで)
観覧料:無料
主催:芦屋市教育委員会/芦屋市造形教育研究会
問い合わせ:芦屋市教育委員会学校教育課 Tel 0797-38-2087 (平日執務時間内)
※歴史資料展示室では「昔のくらし―昭和のころの衣・食・住」展を同時開催
昔のくらし
※年末年始2016年12月28日~2017年1月4日、展示替え期間2017年2月13日~2017年2月17日は休館
展示要旨:本展では、昔のくらしを「衣」、「食」、「住」の3つに分けて、昔のくらしに役立っていた様々な資料を紹介します。
「衣」では、装飾性の高い婚礼衣装や、乳児用の頭巾、家庭での裁縫に欠かせなかったアイロンや足踏みミシンなどを展示します。
「食」では、電気やガスがまだ普及していなかった時代に使われた炊飯のための釜、氷を入れて冷やす木製の冷蔵庫などを、現代のものと比較しながらご覧いただきます。
「住」は、住まいの中で使われた道具として、暖房器具であるこたつ、湯たんぽなどを展示します。
また、衣・食・住のそれぞれに、芦屋で実際に使われ、大切に残されてきた身近な資料も展示します。
現在では、電気やガスの力によって、大変便利なくらしを送ることができますが、昭和時代のころには、電気やガスを使わず、人の力や機械の力でくらしていました。
昔の人が大事に使っていた資料を通して、道具やくらしが変わってきたのは、人々のどんな知恵や願いが込められていたのかを考えます。今のくらしができるようになった道具の進化や、人々の工夫に注目してください。
開館時間:午前10時-午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日(ただし祝日の場合は翌火曜日休館、年末年始2016年12月28日(水)~2017年1月4日(水)、展示替え期間2017年2月13日(月)~2017年2月17日(金)は休館
観覧料:同時開催の展覧会に準じます。
主催:芦屋市立美術博物館
art trip vol.02 この世界の在り方 思考/芸術
展覧会チラシはこちらart trip vol.02 この世界の在り方 思考/芸術(PDFサイズ1,455KB)
開催趣旨:本展では、立体、平面、映像の現代美術の作品と併せ、当館コレクションの近現代美術作品や考古・歴史資料を展示し、「思考」について考えていきます。
見えるものと見えないものの関係性をテーマに1960年代から国内外で活躍する河口龍夫、刺繍作品や彫刻、アニメーションなどの手法で日常の断片を紡ぎ出す伊藤存、映像や文字や音のズレから意識の焦点を揺り動かす小沢裕子、自然光や電灯などあらゆる光を収集し、それらを構成要素とする映像作品を発表する前谷康太郎。
現実は、見えているものだけが全てではなく、見えていない世界も確かに存在しているという事実。一つの視点で物事をとらえる危うさは大きく、この世界が向き合っている真実を見据え、見えない部分を想像し、多様な視点で認識するための力の重要性はますます高まりつつあるでしょう。
彼らが生み出す作品は、見える事実とその向こう側にある真実を気付かせてくれ、この世界のとらえ方を再考する手がかりを提示してくれると考えます。
本展が、自らの考えや思いを導き出す「思考」を深める場として、存在したいと願っています。
会期:2016年12月10日(土)-2017年2月12日(日)
開館時間:午前10時-午後5時(入館は午後4時30分まで)
会場:芦屋市立美術博物館、エントランスホール、第一展示室、第二展示室
休 館 日:月曜日(但し、1/9は開館、1/10は休館)、年末年始(12/28-1/4)
観覧料:一般600(480)円、大高生500(400)円、中学生以下無料
※同時開催「昔の暮らし」展の観覧料も含む
※( )内は20名以上の団体料金
※ 高齢者(65歳以上)および身体障がい者手帳・精神障がい者保健福祉手帳・療育手帳をお持ちの方ならびにその介護の方は各当日料金の半額になります。
※観覧無料の日:12月25日(日)、2017年1月22日(日)
主催:芦屋市立美術博物館
助成:公益財団法人三菱UFJ信託地域文化財団
協賛:三菱電機株式会社 関西支社
後援:兵庫県、兵庫県教育委員会、兵庫県社会福祉協議会、公益財団法人兵庫県芸術文化協会、神戸新聞社、NHK神戸放送局、FM802
協力:京福電気鉄道株式会社、横田茂ギャラリー、タカ・イシイギャラリー、株式会社中川ケミカル
■関連イベント
(1)オープニングイベント アーティストによるギャラリートーク
日時:12月10日(土)14:00-16:00
講師:河口龍夫、伊藤存、小沢裕子、前谷康太郎(本展出品作家)
会場:展示室
参加費:無料(ただし要観覧券)
(2)ライブパフォーマンス
日時:1月9日(月・祝) 16:00-17:00(予定)
出演:山/抽象版×小沢裕子(美術家)
会場:展示室、講義室、前庭(予定)
定員:80名
参加費:無料(ただし要観覧券)
*「山/抽象版」:
「山/完全版」の別バージョン。2013 年デビューのライブパフォーマンスユニット。伊藤存がメンバーのひとりとして活動するバンド。ゆるい散歩を裏側から眺めるような、ずれた風景を描く音律とリズム、ありそうでないような文脈と派生の可能性。逆立ちしながら穴を掘る。ご近所さんの音楽の集いに迷い込む路地奥からのストレンジャー。
(3)対談「河口龍夫/思考と芸術をめぐって」
日時:1月28日(土)14:00-15:30
講師:河口龍夫(美術家)×柳原正樹(京都国立近代美術館長)
会場:講義室
定員:60名(どなたでも)
参加費:無料(ただし要観覧券)
(4)上映会/前谷康太郎作品
日時:2月4日(土)15:00-16:00
講師:前谷康太郎(映像作家)
会場:講義室
定員:60名(どなたでも)
参加費:無料(ただし要観覧券)
(5)ギャラリー・トーク 両日とも14:00- 1時間程度
日時:12月24日(土)、1月21日(土)
参加費:無料(ただし要観覧券)
※全て申し込み不要。直接会場へお越しください。
■出品作家
■出品作品
本展のために制作された新作や新たに構成されたインスタレーション作品とともに、当館所蔵作品や資料の中から、ナウマン象の化石や土器といった考古・歴史資料、小杉武久や管野聖子の美術作品を展示し、「思考」することについての再考と、「この世界」を考察する場を作ります。
1|河口龍夫
《関係―浮遊する蓮の船》(部分) 2007年
鉛、蓮、種子(蓮)
作家蔵 撮影:齋藤さだむ
2|河口龍夫
《真珠になった種子》(部分) 2015年
貝殻、種子(蓮)、蜜蝋、硫化カドミューム、天然白亜
作家蔵 撮影:柳原写真事務所
3|伊藤存
《みえない土地の建築物/前橋》 2013年
布に刺繍、マイクスタンド、木 サイズ可変(4点)
アーツ前橋蔵 撮影:表恒匡
4|伊藤存
《むかしからこれまで》より 2015年
映像インスタレーション
作家蔵 撮影:表恒匡
5|小沢裕子
《SERVICE(ATH-200AV)》 2016年
11分26秒 映像 ヘッドホン(ATH-200AV)、
モニター 作家蔵
6|小沢裕子
《15_1_13(時間の外のこども)》 2015年
3分24秒 ビデオ 作家蔵
7|前谷康太郎
《more/less distant》 2012年~
デジタル写真 作家蔵
8|前谷康太郎
《seasons 2012》 2012年
2分 ビデオインスタレーション
CRTモニター×18、フレーム、DVDプレーヤー×4、ビデオスプリッター
作家蔵
※番号5、6以外はすべて参考図版
未知の表現を求めて―吉原治良の挑戦
芦屋市立美術博物館&大阪新美術館建設準備室 共同企画
開催趣旨:20世紀の前衛美術を代表する画家・吉原治良(1905-1972)の生涯を、第一級の吉原コレクションを誇る芦屋市立美術博物館と大阪新美術館建設準備室の所蔵作品から厳選した約90点でたどります。
大阪市に生まれ、芦屋市に居住した吉原治良は、実業家として活躍するかたわら、関西の前衛美術をリードし続けました。今日、国際的に評価される美術グループ「具体美術協会」のリーダーとして有名ですが、その先駆性の萌芽は、すでに戦前期の創作活動のうちにみることができます。
本展では、具象から抽象へと展開しながら、生涯にわたり最先端の表現を追及し続けた吉原治良の、さまざまな挑戦に焦点を当てます。絵画制作と向き合う内省的な時間と並行して、国内外の多様な人々と交流し、刺激を得て、新たな活動を展開していく様子を明らかにすることで、吉原治良の全貌に迫りたいと考えます。
また、近年大阪新美術館建設準備室に寄贈された「具体美術協会関係資料」より、吉原治良旧蔵書籍、雑誌、書簡等の一部資料を展示します。これまでの回顧展では注目される機会の少なかった、舞台上でのパフォーマンス、野外でのインスタレーション作品なども、映像・写真展示によりご紹介します。
会期/2016年9月17日(土)~11月27日(日)
休館日/月曜日[ただし9月19日・10月10日(祝)は開館、9月20日・10月11日(火)は休館]
開館時間/10:00-17:00(入館は閉館の30分前まで)
観覧料/一般800(640)円、大高生500(400)円、中学生以下無料
括弧内は20名以上の団体料金。高齢者(65歳以上)および身体障がい者手帳・精神障がい者保健福祉手帳・療育手帳をお持ちの方、ならびにその介護の方1名は各当日料金の半額。
主催/芦屋市立美術博物館、大阪新美術館建設準備室
後援/兵庫県、兵庫県教育委員会、公益財団法人兵庫県芸術文化協会、神戸新聞社、NHK神戸放送局、FM802
協力/ジュンク堂書店芦屋店
大阪新美術館建設準備室ホームページ
*まだ知らなかった美しさにふれることは、新鮮な生きがいを感じることとおもいませんか?
『きりん』第9巻第11号通巻100号、1956年 吉原治良寄稿文より抜粋(中略あり)
■関連イベント
いずれも参加無料(ただし要展覧会チケット)、事前申込み不要。
1/講演会「吉原治良―抽象への道」
講師:熊田司(和歌山県立近代美術館館長)
日時:10月1日(土)午後2時から
会場:芦屋市立美術博物館 講義室
2/講演会 「師 吉原治良を語る」
講師:向井修二(美術家、元「具体美術協会」会員)
日時:10月8日(土)午後2時から
会場:芦屋市立美術博物館 講義室
3/鼎談 「吉原治良研究のこれからを考える」
講師:平井章一(京都国立近代美術館主任研究員)、高柳有紀子(大阪新美術館建設準備室主任学芸員)、國井綾(芦屋市立美術博物館学芸員)
日時:10月23日(日)午後2時から
会場:芦屋市立美術博物館 講義室
4/ギャラリートーク
本展担当学芸員(芦屋市立美術博物館、大阪新美術館建設準備室)による展示解説会。
日時:9月22日(木・祝)、11月23日(水・祝) いずれも午後2時から
会場:芦屋市立美術博物館 展示室内
■出品作品
1、《芦屋川の見える静物》 1928年 油彩、カンヴァス 芦屋市立美術博物館蔵
2、《手と朝顔》 1930年頃 油彩、カンヴァス 芦屋市立美術博物館蔵
3、《縄をまとう男》 1931-33年頃 油彩、カンヴァス 大阪新美術館建設準備室蔵
4、《作品A》 1939-40年頃 油彩、カンヴァス 大阪新美術館建設準備室蔵
5、《出迎え》 1947年頃 油彩、カンヴァス 大阪新美術館建設準備室蔵
6、一日だけの野外展 1956年 (記録写真) 大阪新美術館建設準備室蔵
7、《無題》 1961年 油彩、カンヴァス 芦屋市立美術博物館蔵
8、《白地に黒い円》 1970年 油彩・アクリル、カンヴァス 大阪新美術館建設準備室蔵
9、日本万国博覧会 具体美術まつり 1970年 (記録映像) 大阪新美術館建設準備室蔵
-チャペックからチェコ・コミックまで-東欧の絵本大国「チェコ絵本をめぐる旅」
開催趣旨:どこか懐かしさを感じさせる手作り感と、洗練されたデザインで人気を集めるチェコの絵本。20世紀初期から邦訳が出版され、岩波少年文庫のロングセラーとなっている『長い長いお医者さんの話』や、かわいらしい愛犬の写真をアレンジした絵本『ダーシェンカ』などを生み出したチャペック兄弟、そして牧歌的な魅力を持つチェコの国民的絵本作家ヨゼフ・ラダの作品は、こうしたチェコ絵本人気の先駆けとなりました。さらに、人形アニメーションへの関心とともに、イジー・トゥルンカなどの絵本が紹介され、今日まで根強いファンを持っています。
古くは『世界図絵』にまで遡る長い伝統を持つチェコの絵本は、現在もなお、チェコ独自の民族色や民話の世界に裏打ちされながらも、新しいデザイン感覚やコミック、写真マンガなどの手法を取り入れて創作する若い世代の才能溢れる作家を輩出しており、ボローニャ国際絵本見本市などでも高い評価を得ています。
本展では、作家15名による絵本原画やリトグラフ、絵コンテ、デッサン、制作過程の資料や絵本など約150点を通して、チャペックなどチェコ絵本の伝統を築いた草創期の巨匠から、近年チェコで注目を集めている最新鋭の作家たちの創作まで、日本とのつながりを含めながら、その幅広く奥深い魅力をご紹介いたします。
芦屋の歴史と文化財
※展示替え期間2016年9月5日-9月16日は休館
開催趣旨:本展では2012年に文化財として指定された、「芦屋川の文化的景観」が育んできた芦屋の歴史をご紹介します。芦屋の歴史を古代(平安期まで)、中世・近世(江戸期まで)、近代(明治期以降)の各時代にわけ、それぞれの時代の主要な歴史資料を展示します。たとえば「古代の芦屋」では、市内の数多くの遺跡とその出土品をご覧いただくことで、芦屋の歴史が持つ魅力を再発見していただく機会ともなると思います。
今回は、芦屋市指定文化財である『青銅製漢式三翼鏃』(せいどうせいかんしきさんよくぞく:会下山遺跡出土)を展示するほか、明治時代に岩園天神社に奉納された絵馬を特別に展示いたします。
近代の芦屋は交通機関の整備とともに高級住宅地化し、財政規模も飛躍的な拡大をみせました。現在につながる芦屋の歴史をご紹介していきます。
開館時間:午前10時-午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日(ただし祝日の場合は翌火曜日休館、展示替え期間2016年9月5日(月)-9月16日(金)は休館)
観覧料:同時開催の展覧会に準じます。
主催:芦屋市立美術博物館
芦屋市立美術博物館コレクション展 具体美術協会/1950年代
1954年、芦屋で誕生した前衛美術グループ、具体美術協会は、いまや国内に限らず、世界的に関心が注がれる存在となりました。
具体美術協会のメンバーたちは、なにものにもとらわれない自由な発想を元に、それまでの芸術、美術といったものに対する既成概念を打ち破りました。
新しい素材や技法の採用、パフォーマンスによる作品の発表をはじめ、野外での作品発表も実現するなど、その自由で奔放な作品は現代においても人々を惹きつけます。また、50年代後半に訪れたフランス人美術評論家、ミシェル・タピエとの出会いにより、タブロー上での表現にも更に磨きをかけました。
本展は、1972年の解散から40年以上経た今、前衛の旗手としてこれまで以上に熱い視線が注がれる具体美術協会を特集するものです。恵まれた当館コレクションより、1950年代を中心とした作品群をご紹介します。
第33回芦屋市造形教育展
休館日:2月22日(月)
開催趣旨:幼稚園・小学校・中学校の作品約1000点を展示いたします。
開館時間:午前10時―午後5時(入館は4時30分まで)
観覧料:無料
主催:芦屋市教育委員会/芦屋市造形教育研究会
問い合わせ:芦屋市教育委員会学校教育課 Tel 0797-38-2087 (月~金のみ)
※歴史資料展示室では「昔の暮らし~江戸時代ってどんな時代?」展を同時開催
戦後のボーダレス―前衛陶芸の貌 Borderless Communication after 1945
戦後、「オブジェ陶」といわれるやきものが生まれました。終戦からわずか2年後の1947年、京都で誕生した前衛陶芸家のグループ「四耕会」をはじめ、翌年結成された「走泥社」など、彼らの発表した作品は、それまでやきものに対して使われることの多かった「用の美」という言葉からは一線を画した、土という素材を使った新たな造形表現ということができるでしょう。
戦後という新しい時代をむかえ、芸術表現においてもいわば“ボーダレス”の概念が急速に広まります。陶芸界のみならず絵画、彫刻、写真、書道、いけばな等、他ジャンルとの交流が活発化し、外からの新しい情報、新しい刺激が日常的にもたらされることになったのです。1952年、多ジャンルの芸術家たちが集まって結成された「現代美術懇談会」への積極的な参加からも、若き陶芸家たちが、まさにボーダレスに造形表現を探求していたことが分かります。
陶芸界におけるこうした前衛的表現の深化に、戦後芸術界のボーダレス化が与えた影響は大きなものであるといえるでしょう。本展は “戦後のボーダレス”をキーワードとして、陶芸界にとどまらない多様な交流に着目し、前衛陶芸の深化の過程に迫ろうというものです。その分析は、前衛陶芸が国内外の芸術家たち、ひいては芸術界全体に与えたインパクトを知ることにも繋がるでしょう。前衛陶芸の立場から、戦後の表現を探ります。