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art trip vol.03 in number, new world / 四海の数
  • 開催日:2019年12月7日 ~2020年2月9日

展覧会チラシはこちらart trip vol.03 in number, new world / 四海の数(PDFサイズ5,985KB)
 
 

 
開催趣旨:かつて、多くの哲学者は「数とは何か」と議論を交わしました。時間や距離、人口、気温、貨幣、年齢、身長、体重、心拍数など、世界を構成する事象は数字で表されており、私たちは数に囲まれて生きています。
具体美術協会で活動後、70年代より写真や映像といったメディアを素材として「時間」について思考させる作品も生み出している今井祝雄、空間の特性を読み、音や光、影といった非物質的な現象を用いたインスタレーション作品を展開する久門剛史、映像の特性にもとづき空間演出とパフォーマーとの共同作業により制作を行なう津田道子、その土地の史実や文化の在りようを集め、自身の手により思索した造形物を通して、目に見えないつながりを解きほぐし顕在化する中村裕太。
豊かに生きるために確かめながら暮らす日々の中、数は物事を考える上で中心的な役割をはたしています。しかし、相互認識のために共通言語として使用される数字は、価値基準が一致しなければ言語として成立しづらい繊細な性質も持っています。一方、数字に主導権を握られ、したたかな性格を持つものとして接する機会も少なくありません。常に寄り添う数字とどのように生きていくのか。
本展では、今井祝雄、久門剛史、津田道子、中村裕太の作品とともに芦屋市立美術博物館の所蔵作品を通して、「数」について意識を深めていきます。
 
会期:2019年12月7日(土)-2020年2月9日(日)
開館時間:午前10時-午後5時(入館は午後4時30分まで)
会場:芦屋市立美術博物館、エントランスホール、第一展示室、第二展示室
休館日:月曜日(但し、1/13は開館、1/14は休館)、年末年始(12/28-1/4)
観覧料:一般700(560)円、大高生500(400)円、中学生以下無料
※同時開催「昔のくらし」展の観覧料も含む。
※( )内は20名以上の団体料金
※ 高齢者(65歳以上)および身体障がい者手帳・精神障がい者保健福祉手帳・療育手帳をお持ちの方ならびにその介護の方は各当日料金の半額になります。
※観覧無料の日:12月25日(水)、2020年1月13日(月・祝)(予定)
主催:芦屋市立美術博物館
後援:兵庫県、兵庫県教育委員会、公益財団法人兵庫県芸術文化協会、神戸新聞社、NHK神戸放送局、kiss FM
協力/ARTCOURT Gallery、OTA FINE ARTS、TARO NASU、Yumiko Chiba Associates
 
 
■関連イベント
(1)オープニングイベント アーティストによるギャラリートーク
日時:12月7日(土) 15:00-17:00
講師:今井祝雄、久門剛史、津田道子、中村裕太(本展出品作家)
会場:展示室
参加費:無料(ただし要観覧券)

(2)トークⅠ
日時:12月14日(土) 14:00-15:30
講師:久門剛史(美術家)、林寿美(インディペンデントキュレーター)
会場:講義室
定員:80名
参加費:無料(ただし要観覧券)

(3)トークⅡ 「接触のエロティシズム」
日時:12月21日(土) 14:00-16:00
講師:今井祝雄(美術家)、浅沼敬子(北海道大学大学院准教授・芸術学)
会場:講義室
定員:80名
参加費:無料(ただし要観覧券)

(4)トークⅢ
日時:2020年1月13日(月・祝) 14:00-16:00
出演:津田道子(美術家)
会場:講義室
定員:80名
参加費:無料

(5)ツアートーク「長谷川三郎の軌跡を追って」
日時:2020年1月25日(土) 13:00-16:00
講師:中村裕太(美術家)、服部正(甲南大学教授)
会場:芦屋市立美術博物館、甲南学園長谷川三郎記念ギャラリー
定員:20名*要事前申込※1月10日(金)締切。*応募者多数の場合は抽選
申込方法:氏名・住所・電話番号を電話(0797-38-5432)かEメール(ashiya-bihaku@shopro.co.jp)にてお伝えください。
参加費:無料(ただし要観覧券)*要交通費

(6)担当学芸員によるギャラリー・トーク
両日とも14:00- 1時間程度
日時:1月12日(日)、2月2日(日)
参加費:無料(ただし要観覧券)
 
 
※(5)以外は申込不要。直接会場へお越しください。
 
 
■出品作家

  • 今井 祝雄  Norio Imai
    1946年大阪府生まれ。大阪府在住。高校在学中から吉原治良に師事し、64年に17歳で参加した具体美術協会で発表を重ねた。主にレリーフ状の白のオブジェの制作を繰り広げ、72年の解散まで全展に出品。その後、写真やビデオを取り入れた活動とともに、80年以降はパブリックアートも手がけ、新大阪駅前、関西文化学術研究都市、京阪坂本駅ほかに彫刻、モニュメントを制作。近年の主な個展に、「行為する映像」(2019、アートコートギャラリー、大阪)、「物質的恍惚」(2018、Axel Vervoordt Gallery、アントワープ)、「白のイベント × 映像・1966-2016」(2016、Yumiko Chiba Associates viewing room shinjuku、東京)、「Norio IMAI, (Part I) Shadow of Memory / (Part II) White Event」(2015、Galerie Richard Paris, パリ)、「Perspective in White」(2014、Galerie Richard NY、ニューヨーク)、「フレームの彼方」(2012、ギャラリーパルク、京都)など多数。
  • 久門 剛史 Tsuyoshi Hisakado
    1981年、京都府生まれ。京都府在住。様々な現象や歴史を採取し、音や光、立体を用いて個々の記憶や物語と再会させる劇場的空間を創出する。近年の主な展覧会に、個展「MoCA Pavilion Special Project Tsuyoshi Hisakado」(上海当代芸術館、2016)、あいちトリエンナーレ2016、「MAMプロジェクト025:アピチャッポン・ウィーラセタクン+久門剛史」(森美術館、2018)。現在、アピチャッポン・ウィーラセタクンとの共作が、第58回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展「May You Live in Interesting Times」(2019)で展示中。2020年3月には豊田市美術館で国内初の大規模な個展を開催予定。
    2016年には世界各国で上演されたチェルフィッチュ『部屋に流れる時間の旅』の舞台美術を担当した。近年の主な受賞に「日産アートアワード2015」オーディエンス賞、「平成27年度京都市芸術文化特別奨励者」、「VOCA展2016」VOCA賞、「メルセデス・ベンツ アート・スコープ 2018-2020」などがある。
  • 津田 道子 Michiko Tsuda
    1980年 神奈川県生まれ。神奈川にて制作、活動中。2013年 東京芸術大学大学院映像研究科博士課程修了。(博士:映像メディア学)工学部出身という経歴を持つ津田道子は、一貫して映像原理の論理的な探求をテーマとして、映像、インスタレーション、パフォーマンス作品を制作している。カメラや鏡といった人間の視覚に関わる媒体の特性を、計算された映像空間の演出によって顕在化させ、人間の視覚や空間認知に揺さぶりをかける津田の作品は、独特な空間的広がりと豊かさを備えている。近年は、神村恵とのユニット「乳歯」としてパフォーマンスも行う。主な個展に”Observing Forest”(zarya現代美術センター/ウラジオストク、2017)、”The Day After Yesterday”(TARO NASU/東京、2015)など。参加した主な展覧会に「六本木クロッシング2019展:つないでみる」(森美術館/東京、2019)、「あいちトリエンナーレ2019 情の時代」などがある。
    2019年アジアン・カルチュラル・カウンシル(ACC)のグランティ。
  • 中村 裕太 Yuta Nakamura
    1983年東京都生まれ、京都市在住。2011年京都精華大学芸術研究科博士後期課程修了。博士(芸術)。〈民俗と建築にまつわる工芸〉という視点から陶磁器、タイルなどの学術研究と作品制作を行なう。近年の展示に「MAMリサーチ007:走泥社-現代陶芸のはじまりに」(森美術館、2019年)、「日本ラインの石、岐阜チョウの道」(美濃加茂市民ミュージアム、2018年)、「柳まつり小柳まつり」(ギャラリー小柳、2017年)、「あいちトリエンナーレ」(愛知県美術館、2016年)、「第20回シドニー・ビエンナーレ」(キャレッジワークス、2016年)、「第8回アジア・パシフィック・トリエンナーレ」(クイーンズランド・アートギャラリー、2015年)、「六本木クロッシング2013:アウト・オブ・ダウト―来たるべき風景のために」(森美術館、2013年)。著書に『アウト・オブ・民藝』(共著、誠光社、2019年)。

 
 
■出品作品


 
 
1|今井祝雄
《F氏との1時間》 1979年
ゼラチンシルバー・プリント
©Norio Imai, Courtesy of Yumiko Chiba Associates

2|今井祝雄
《10 時 5 分》 1972 年
ブラウン管にスクリーンプリント
Photo: Nobutada Omote
Courtesy of ARTCOURT Gallery

3|久門剛史
《crossfades》(部分) 2013 年 ―
紙、アルミニウム、ルーペ、真鍮、ムーブメント、他
Photo: Artist *参考画像

4|久門剛史
《Pause》 2016 年
サウンド、スポットライト、電球、木材、アクリル、鏡、アルミ、ジョーゼット、ムーブメント、他
Photo: Tetsuo Ito *参考画像

5|6|津田道子
《あなたは、翌日私に会いにそこに戻ってくるでしょう。》 2016 年
Photo: Tadasu Yamamoto

7|中村裕太
《日本陶片地図|埼玉県川越市久下戸》 2016 年
Photo: Nobutada Omote *参考画像

8|中村裕太
《 日本ラインの石 》 2018 年
Photo: Nobutada Omote *参考画像
 
 

*これからの展覧会
「第37回 芦屋市造形教育展」 2020年2月15日(土)- 2月24日(月・祝)
美術と音楽の8日間「rooms」 2020年3月14日(土)- 3月22日(日)