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art trip vol.02 この世界の在り方 思考/芸術
  • 第1展示室、第2展示室、ホール
  • 開催日:2016年12月10日 ~2017年2月12日

展覧会チラシはこちらart trip vol.02 この世界の在り方 思考/芸術(PDFサイズ1,455KB)




開催趣旨:本展では、立体、平面、映像の現代美術の作品と併せ、当館コレクションの近現代美術作品や考古・歴史資料を展示し、「思考」について考えていきます。
見えるものと見えないものの関係性をテーマに1960年代から国内外で活躍する河口龍夫、刺繍作品や彫刻、アニメーションなどの手法で日常の断片を紡ぎ出す伊藤存、映像や文字や音のズレから意識の焦点を揺り動かす小沢裕子、自然光や電灯などあらゆる光を収集し、それらを構成要素とする映像作品を発表する前谷康太郎。
現実は、見えているものだけが全てではなく、見えていない世界も確かに存在しているという事実。一つの視点で物事をとらえる危うさは大きく、この世界が向き合っている真実を見据え、見えない部分を想像し、多様な視点で認識するための力の重要性はますます高まりつつあるでしょう。
彼らが生み出す作品は、見える事実とその向こう側にある真実を気付かせてくれ、この世界のとらえ方を再考する手がかりを提示してくれると考えます。
本展が、自らの考えや思いを導き出す「思考」を深める場として、存在したいと願っています。

会期:2016年12月10日(土)-2017年2月12日(日)
開館時間:午前10時-午後5時(入館は午後4時30分まで)
会場:芦屋市立美術博物館、エントランスホール、第一展示室、第二展示室
休 館 日:月曜日(但し、1/9は開館、1/10は休館)、年末年始(12/28-1/4)
観覧料:一般600(480)円、大高生500(400)円、中学生以下無料
※同時開催「昔の暮らし」展の観覧料も含む
※( )内は20名以上の団体料金
※ 高齢者(65歳以上)および身体障がい者手帳・精神障がい者保健福祉手帳・療育手帳をお持ちの方ならびにその介護の方は各当日料金の半額になります。
※観覧無料の日:12月25日(日)、2017年1月22日(日)
主催:芦屋市立美術博物館
助成:公益財団法人三菱UFJ信託地域文化財団
協賛:株式会社オーエス三菱電機株式会社 関西支社
後援:兵庫県、兵庫県教育委員会、兵庫県社会福祉協議会、公益財団法人兵庫県芸術文化協会、神戸新聞社、NHK神戸放送局、FM802
協力:京福電気鉄道株式会社、横田茂ギャラリー、タカ・イシイギャラリー、株式会社中川ケミカル
 
 
■関連イベント
(1)オープニングイベント アーティストによるギャラリートーク
日時:12月10日(土)14:00-16:00
講師:河口龍夫、伊藤存、小沢裕子、前谷康太郎(本展出品作家)
会場:展示室
参加費:無料(ただし要観覧券)

(2)ライブパフォーマンス
日時:1月9日(月・祝) 16:00-17:00(予定)
出演:山/抽象版×小沢裕子(美術家)
会場:展示室、講義室、前庭(予定)
定員:80名
参加費:無料(ただし要観覧券)

*「山/抽象版」:
「山/完全版」の別バージョン。2013 年デビューのライブパフォーマンスユニット。伊藤存がメンバーのひとりとして活動するバンド。ゆるい散歩を裏側から眺めるような、ずれた風景を描く音律とリズム、ありそうでないような文脈と派生の可能性。逆立ちしながら穴を掘る。ご近所さんの音楽の集いに迷い込む路地奥からのストレンジャー。

(3)対談「河口龍夫/思考と芸術をめぐって」
日時:1月28日(土)14:00-15:30
講師:河口龍夫(美術家)×柳原正樹(京都国立近代美術館長)
会場:講義室
定員:60名(どなたでも)
参加費:無料(ただし要観覧券)

(4)上映会/前谷康太郎作品
日時:2月4日(土)15:00-16:00
講師:前谷康太郎(映像作家)
会場:講義室
定員:60名(どなたでも)
参加費:無料(ただし要観覧券)

(5)ギャラリー・トーク 両日とも14:00- 1時間程度
日時:12月24日(土)、1月21日(土)
参加費:無料(ただし要観覧券)
※全て申し込み不要。直接会場へお越しください。
 
 
■出品作家

  • 河口 龍夫 Kawaguchi Tatsuo
    1940年兵庫県生まれ。1962年多摩美術大学絵画科卒業。現在、千葉を拠点に国内外で活動。1965年グループ「位」結成。1974年第1回井植文化賞(文化芸術部門)受賞。1975年文化庁芸術家在外研究員として欧米に滞在。1983年筑波大学芸術学系助教授。1991年筑波大学芸術学系教授(2003年退官)。2004年筑波大学芸術学系名誉教授、倉敷芸術科学大学教授、京都造形芸術大学客員教授。2014年金沢美術工芸大学教授。見えるものと見えないものの関係性をテーマに作品の制作を続ける。主な個展に「河口龍夫-時間の位置」(川口市立アートギャラリー・アトリア/2016)、「河口龍夫-闇の時間」(カスヤの森現代美術館/2015)、「光あれ!河口龍夫―3.11以後の世界から」(いわき市立美術館 /2012)、「河口龍夫展 言葉・時間・生命」(東京国立近代美術館/2009)、「河口龍夫-見えないものと見えるもの」(兵庫県立美術館、名古屋市美術館/2007)ほか。主なグループ展に「Re:play 1972/2015-「映像表現’72」展、再演」(東京国立美術館/2015)、「瀬戸内国際芸術祭2010」小豆島(香川県/2010)、「痕跡ー戦後美術における身体と思考」(京都国立近代美術館、東京を巡回/2012)、「大地の魔術師たち」(ポンピドゥ・センター パリ国立近代美術館/1989)、「東京ビエンナーレ1970人間と物質」(東京都美術館ほか/1973)ほか多数。
  • 伊藤 存 Itou Zon
    1971年大阪府生まれ。1996年京都市立芸術大学美術学部卒業。現在、京都を拠点に国内外で活動。刺繍の作品をはじめとして、アニメーションや小さな立体制作にも力を入れている。主な個展に「ふしぎなおどり」(タカ・イシイギャラリー東京/2016)、「三つの個展:伊藤存、今村源、須田悦弘」(国立国際美術館/2006)、「きんじょのはて」(ワタリウム美術館/2003)ほか。主なグループ展に「現代ドローイング国際芸術祭「トゥー・スティックス」」(ブロツワフ建築博物館/2015)「磯部湯画廊/磯部湯活用プロジェクト」(群馬県前橋市/2013)、「世界制作の方法」(国立国際美術館/2011)、「プライマリー・フィールドⅡ: 絵画の現在 ─ 七つの〈場〉との対話」(神奈川県立近代美術館 葉山/2010)、「Louisa Bufardeci & Zon Ito」(シドニー現代美術館/2009)、「ライフがフォームになるとき:未来への対話/ブラジル、日本」(サンパウロ近代美術館/2008)ほか多数。
  • 小沢 裕子 Ozawa Yuko
    1984年千葉県生まれ。2009年武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了。現在、東京を拠点に活動。映像や文字や音のズレから意識の焦点を揺り動かす作品を制作している。主な個展に「それは持っています、そして私のすべてだけですか?」(Art Center Ongoing /2015)、「エマージェンシーズ!023小沢裕子/無名の役者たち」(ICC/2014)、「ある小話/作家ドラフト2012」(京都芸術センター/2012)、「スピーチ」(現代HEIGHTS Gallery/2010)ほか。主なグループ展に「トランス/リアルー非実体的美術の可能性」(gallery αM /2016年)、「高松コンテンポラリーアート・アニュアル vol.4 リアルをめぐって」(高松市美術館/2014)、「小沢裕子・村山悟郎-「私」のあらわれ-」(日本橋高島屋美術画廊X/2012)、「群馬青年ビエンナーレ」(群馬県立近代美術館/2008,2010,2012)、「ForRent!For Talent!2」(三菱地所アルティアム/2006)ほか多数。
  • 前谷 康太郎 Maetani Koutaro
    1984年和歌山県生まれ。2008年東京外国語大学卒業。2014年京都市立芸術大学大学院卒業。現在、大阪を拠点に活動。自作の光学装置を用い、撮影対象の通常とは異なる側面を抽出することで、映像と人類のこれまでにない新しい関係性を模索している。この活動は、大学在学時の作品に見られる「映像言語における音素の追求」という背景に端を発している。主な個展に「further/nearer:emergencies!021」(ICC/2014)、「前谷康太郎展 parallel」(CAS/2012)、「(non) existence」(梅香堂/2011)ほか。主なグループ展に「特集展示 光について」(和歌山県立近代美術館/2015)、「KAMA CITY RESIDENCY BIENNALE」(嘉麻市立織田廣喜美術館/2015)、「World in Motion | Maetani Kotaro」(Gallery PARC/2015)、「Art Court Frontier 2013」(Art Court Gallery/2013)、「HANARART 2012」(大和郡山市旧川本邸/2012)、「seasons for Morris lab. / etude for 4 monitors」(森巣ラボ/2010)ほか多数。

 
 
■出品作品
本展のために制作された新作や新たに構成されたインスタレーション作品とともに、当館所蔵作品や資料の中から、ナウマン象の化石や土器といった考古・歴史資料、小杉武久や管野聖子の美術作品を展示し、「思考」することについての再考と、「この世界」を考察する場を作ります。


1|河口龍夫
《関係―浮遊する蓮の船》(部分) 2007年
鉛、蓮、種子(蓮) 
作家蔵 撮影:齋藤さだむ

2|河口龍夫
《真珠になった種子》(部分) 2015年
貝殻、種子(蓮)、蜜蝋、硫化カドミューム、天然白亜
作家蔵 撮影:柳原写真事務所

3|伊藤存
《みえない土地の建築物/前橋》 2013年
布に刺繍、マイクスタンド、木 サイズ可変(4点)
アーツ前橋蔵 撮影:表恒匡 

4|伊藤存
《むかしからこれまで》より 2015年 
映像インスタレーション
作家蔵 撮影:表恒匡

5|小沢裕子
《SERVICE(ATH-200AV)》  2016年
11分26秒 映像 ヘッドホン(ATH-200AV)、
モニター 作家蔵

6|小沢裕子
《15_1_13(時間の外のこども)》 2015年
3分24秒 ビデオ 作家蔵

7|前谷康太郎
《more/less distant》  2012年~
デジタル写真 作家蔵

8|前谷康太郎
《seasons 2012》 2012年
2分 ビデオインスタレーション
CRTモニター×18、フレーム、DVDプレーヤー×4、ビデオスプリッター
作家蔵

※番号5、6以外はすべて参考図版