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戦後のボーダレス―前衛陶芸の貌 Borderless Communication after 1945
  • 第1展示室、第2展示室、ホール
  • 開催日:2015年11月28日 ~2016年2月7日

 戦後、「オブジェ陶」といわれるやきものが生まれました。終戦からわずか2年後の1947年、京都で誕生した前衛陶芸家のグループ「四耕会」をはじめ、翌年結成された「走泥社」など、彼らの発表した作品は、それまでやきものに対して使われることの多かった「用の美」という言葉からは一線を画した、土という素材を使った新たな造形表現ということができるでしょう。
 戦後という新しい時代をむかえ、芸術表現においてもいわば“ボーダレス”の概念が急速に広まります。陶芸界のみならず絵画、彫刻、写真、書道、いけばな等、他ジャンルとの交流が活発化し、外からの新しい情報、新しい刺激が日常的にもたらされることになったのです。1952年、多ジャンルの芸術家たちが集まって結成された「現代美術懇談会」への積極的な参加からも、若き陶芸家たちが、まさにボーダレスに造形表現を探求していたことが分かります。
 陶芸界におけるこうした前衛的表現の深化に、戦後芸術界のボーダレス化が与えた影響は大きなものであるといえるでしょう。本展は “戦後のボーダレス”をキーワードとして、陶芸界にとどまらない多様な交流に着目し、前衛陶芸の深化の過程に迫ろうというものです。その分析は、前衛陶芸が国内外の芸術家たち、ひいては芸術界全体に与えたインパクトを知ることにも繋がるでしょう。前衛陶芸の立場から、戦後の表現を探ります。


開館時間:午前10時-午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日:月曜日(ただし祝日の場合は翌火曜日休館)、12月29日(火)~1月4日(月)
観覧料:一般800(640)円、大高生500(400)円、中学生以下無料
括弧内は団体料金。高齢者及び身体障がい者手帳、精神障がい者保健福祉手帳、療育手帳所有の方、ならびにその介護の方は各当日料金の半額。
*観覧料無料の日:11月28日(土)、12月20日(日)、1月23日(土)
主催:芦屋市立美術博物館
後援:兵庫県、兵庫県教育委員会、公益財団法人兵庫県芸術文化協会、神戸新聞社、NHK神戸放送局、FM802
協力:ジュンク堂書店芦屋店
助成:独立行政法人日本芸術文化振興会、公益財団法人花王芸術・科学財団


■出品作家
宇野三吾、植木茂、岡本素六、熊倉順吉、嶋本昭三、清水卯一、白髪一雄、鈴木治、鈴木康之、須田国太郎、須田剋太、鷲見康夫、谷口良三、辻晉堂、津高和一、中西美和、イサム・ノグチ(写真のみ)、林康夫、雲雀民雄、藤田作、藤本能道、堀内正和、三浦省吾、八木一夫、山田光、吉田稔郎、吉原治良、吉原通雄

■作品


1.林康夫 《雲》 1948年 陶 未生流中山文甫会蔵
2.辻晉堂 《時計》 1956年 陶彫 京都国立近代美術館蔵
3.鈴木治 《ロンド》 1950年 陶 華道家元池坊総務所蔵
4.須田国太郎 《鵜》 1952年 油彩、カンヴァス 京都国立近代美術館蔵
5.宇野三吾 《土偶形花器》 1950年前後 陶 滋賀県立陶芸の森陶芸館蔵
6.吉原治良 《作品B》 1953年 油彩、カンヴァス 当館蔵
7.山田光 《作品》 1952年 陶 和歌山県立近代美術館蔵
8.八木一夫 《ザムザ氏の散歩》 1954年 個人蔵

■関連事業
(1)講演会「四耕会誕生の頃から‐70年の陶歴」
日時:2015年12月6日(日)午後2時~
講師:林康夫氏(陶芸家、元「四耕会」、「走泥社」会員、大阪芸術大学名誉教授、IAC国際陶芸アカデミー会員)
参加無料(ただし要展覧会チケット) 

(2)講演会「陶芸と前衛」
日時:2016年1月17日(日)午後2時~
講師:奥村泰彦氏(和歌山県立近代美術館教育普及課長)
参加無料(ただし要展覧会チケット)

(3)ワークショップ
果物、野菜等からイメージをふくらませ、粘土を使って作品を作ります。
日時:2015年12月23日(水・祝)午後2時~
講師:須浜智子氏(陶芸作家)
定員:20名(小学生以下は要保護者同伴)
参加無料(ただし要展覧会チケット)
申込方法:12月1日(土)午前9時~お電話にて受付します。 ※定員に達し次第締切。

(4)見学会「訪問!京都山科・清水焼の郷 清水焼団地」 
清水焼団地の卸問屋、谷口陶房を訪問し、やきものづくりの現場を見学します。
日時:2016年1月24日(日)午後1時30分~
講師:谷口正典氏(陶芸家)
定員:20名
参加無料(ただし要展覧会チケット)※現地までの交通費は自己負担。
申込方法:往復はがきに住所、氏名、年齢、電話番号を明記し「清水焼団地内見学会参加希望」と朱書きのうえ当館へ郵送してください。
2016年1月8日(金)消印有効 ※応募者多数の場合は抽選。参加の可否は復信にてお知らせします。

(5)ギャラリー・トーク
日時:2015年12月12日(土)、2016年1月30日(土)午後2時~
参加無料(ただし要展覧会チケット)