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特別展「今井祝雄 ―長い未来をひきつれて」
  • 開催日:2024年9月14日 ~2024年11月17日

 

 
 

会 期 2024年9月14日(土)-11月17日(日)10:00-17:00(入館は16:30まで)
休館日 月曜日(ただし9月16日(月・祝)、9月23日(月・振休)、10月14日(月・祝)、11月4日(月・振休)は開館、9月17日(火)、9月24日(火)、10月15日(火)、11月5日(火)は休館)
観 覧 料 一般900(720)円、大高生500(400)円、中学生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金
※ 高齢者(65歳以上)および身体障がい者手帳・精神障がい者保健福祉手帳・療育手帳をお持ちの方とその介護者の方は各当日料金の半額
*リピート割引:本展チケットの半券をご提示いただいた方は、団体割引料金でご覧いただけます。(1枚につきお一人様1回限り、他の割引券との併用不可)
※11月9日(土)、10日(日) はあしやつくるば開催のため観覧無料
会 場 芦屋市立美術博物館
主 催 芦屋市立美術博物館
後 援 兵庫県、兵庫県教育委員会、公益財団法人兵庫県芸術文化協会、神戸新聞社、Kiss FM KOBE
協 力 藤本由紀夫、林勇気、 ARTCOURT Gallery、Yumiko Chiba Associates

 
 

《展覧会概要》
 1946年に大阪で生まれた今井祝雄は、大阪市立工芸高校在学中の1964年、17才の時に第14回具体美術展へ初出品し、翌年最年少作家として「具体美術協会(具体)」会員となりました。1966年に「第10回シェル美術賞」で一等賞を受賞し、同年7月にグタイピナコテカで個展を開催、絵画や立体作品、モーターを利用した作品を「具体」で発表する一方、「第1回草月実験映画祭」(草月会館ホール・東京、1967)や「現代の空間’68-光と環境」(そごう・神戸、1968)では映像や光による作品を発表するなど、「具体」の新時代を担うメンバーの一人として活躍します。1970年代以降は、写真や映像、音などのメディアを用いた、空間や環境についての深い思索にもとづく作品や、パフォーマンスを含む身体的な表現を通して「空間」「時間」「現象」「存在」といった人間にとっての根源的な主題について考察する作品を数多く制作する一方、街中の公共的空間に作品を設置する活動も行うなど、現在も国内外で精力的に発表を続けています。
 本展は、作家活動60年の節目に開催する、美術館では初の今井祝雄の個展となります。1960年代から80年代の平面、写真、映像作品を中心に、コロナ禍に生まれた作品や本展に向けて制作される新作を展示し、若くして作家活動をスタートした10代から現在にいたるまでの多様な活動を多角的に紹介し、今井祝雄という作家の知られざる全体像を明らかにする試みです。

 
 
《本展の見どころ》
今井祝雄という作家の全体像を明らかにする試み
本展は、初個展「17才の証言」(ヌーヌ画廊・大阪、1964年)や第14回具体美術展に初出品し、作家としてスタートした1964年から60年の節目となる2024年に開催します。
本展に向けて制作される新作《瀑布-ビデオの時代》から始まり、60年代から80年代に発表された平面、写真、映像、音などのメディアを用いた作品や関係資料約100点を展示するこの展覧会は、時間をさかのぼるような構成になっています。各時代の動きに敏感に反応しながら、「空間」「時間」「現象」「存在」といった人間にとっての根源的な主題を軸に展開していく今井の活動をまとまって振り返ることの出来る、初の機会となります。
 
1970年代の〈音〉の作品や関連資料を展示
向かい合わせに接した2基のスピーカーから、1975年、1976年に収録した今井の心臓音が響き合う《Two Heartbeats of Mine》(1976)を展示するほか、ドーム空間の遮光されたほぼ完全な暗闇の中に座る鑑賞者に向けて、中央からストロボ撮影するというパフォーマンス《八分の六拍子》(1976)で流れた自身の心臓音からメトロノームへと移り変わる八分の六拍子の〈音〉を、芦屋市立美術博物館の特徴的な空間に合わせて展示し、今井が関心を寄せ続ける〈音〉について考察します。
 
1970年代~80年代の映像作品を多数紹介する上映会を開催
今井祝雄は、「空間」「時間」「存在」といった根源的な問いを、自らの身体を用いた行為によって思索し、その場で生じた「現象」を写真や映像に留め作品とします。
本展では、未発表の映像作品を含め、1970年代から80年代の映像作品を中心に構成した上映会を行います。これまで今井の映像作品をまとめて鑑賞する機会は少なく、本上映会は貴重な機会となります。
 
本展図録を水声社より刊行予定
(A5判、144ページ、定価3,000円(税込)(予定) 2024年10月中旬予定)
本書は、「具体」期の活動から、ものと人間の関係への問い、映像・写真というメディアへの取り組みなど、今井祝雄の60年にわたる多彩な活動を紹介し、その活動の軌跡を明らかにします。
勝俣涼(美術批評・表象文化論)、高嶋慈(美術・舞台芸術批評)による書き下ろしの批評や、今井祝雄と藤本由紀夫の対談を収録。今井の活動を辿るだけにとどまらず、作品の今日的な意義を問い直し、現在の活動にも迫ります。
 
 
《出品予定作品・資料》
約100点(予定)
 
 
《関連イベント》*詳細は当館HPへ
(1)特別イベント「DVD上映+パフォーマンス+トーク」

日時 9月21日(土)13:00-17:00(予定)

○プログラムA 円、パーティーでピザを食べる 13:00-
《円》(1967)、《ツリーパフォーマンス》(1984)、《Pizza Time》(1983)
○プログラムB 素描、歩く石、椅子と机の上から、穴を覗く 14:30-
《素描/影像 1973 / 2021》(1973 / 2021)、《百歩石》(1986)、《マレーネ・ディートリヒ》(1982)、《On the Table》(2012)、《穴の男・ 覗く人》(1988 / 2022)
内容 特別上映会にあわせ、今井祝雄氏による《pizza Time》の再演と、スペシャルトークを行います。
出演 今井祝雄(本展出品作家)、林勇気(映像作家)
会場 講義室
定員 60名(どなたでも)
参加費 無料(ただし要観覧券)。申込不要、直接会場へ

 
(2)上映会「時間劇場:1970年代―80年代を中心に」

日時 10月19日(土)、11月2日(土)、11月16日(土) 10:00-17:00
*映像作品をループ上映
会場 講義室
定員 60名(どなたでも)
参加費 無料(ただし要観覧券)。申込不要、直接会場へ

 
(3)対談「たとえば目と耳について」

日時 10月6日(日) 14:00-15:30
講師 今井祝雄(本展出品作家)、藤本由紀夫(アーティスト)
会場 講義室
定員 60名(どなたでも)
参加費 無料(ただし要観覧券)。申込不要、直接会場へ

 
(4)今井祝雄と“石”巡り

日時 10月26日(土)13:00-16:00(予定) *小雨決行
案内人 今井祝雄(本展出品作家)
訪問地 新大阪、南船場、豊中ほか
対象 どなたでも 15名 *要事前申込
参加費 200円(レクリエーション保険代)、要観覧券、*移動に伴う交通費は別途各自負担
ご希望の方は、10月18日(金)までに
芦屋市立美術博物館に
メール(ashiya-bihaku@shopro.co.jp)もしくはお電話(0797-38-5432)にてお名前・年齢・ご住所・ご連絡先(電話・メールアドレス)を添えてお申し込みください。
応募者多数の場合は抽選。

 
(5)学芸員によるギャラリートーク

日時 9月16日(月・祝)、10月12日(土)
いずれも14:00から 1時間程度
参加費 無料(ただし要観覧券)。申込不要、直接会場へ

 
 

《出品作品・資料(予定)》

 
1 グタイピナコテカでの個展会場風景、1966
2 《作品》 1965 アクリル、ミクストメディア、カンヴァス 芦屋市立美術博物館蔵
3 《円》 1967 モノクロ、サウンド(4分3秒)
4 《Two Heartbeats of Mine》 1976 インスタレーション 合体スピーカー、心音テープ、プレイヤー2台
5 《Red Light―L》より 1976 ゼラチンシルバー・プリントに一部手彩色
6 《タイムコレクション》 1981 CBプリント
7 《矩形の時間》 1980 ビデオテープによるパフォーマンス(21分18秒)
8 《ターミナルビルの一日》 1983-84 カラー、サウンド(1分57秒)
9 《Pizza Time》 1983 パフォーマンス/カラー、サウンド(9分51秒)
10 《デイリーポートレイト》 1979-、インスタント写真
2以外、作家蔵

 
 
《略歴》
 今井祝雄 Imai Norio
 
 1946年大阪市生まれ。1965年大阪市立工芸高校美術科洋画コース卒業。高校在学中、同級生の蟻田哲と共に、大阪中之島に開館したグタイピナコテカを訪問し「具体美術協会(具体)」を知る。1964年、ヌーヌ画廊(大阪)で初個展「17歳の証言」展を開催、来場した吉原治良に誘われ、同年「第14回具体美術展」に出品、翌年「具体」会員となる。1966年に「第10回シェル美術賞」で一等賞を受賞、同年7月にグタイピナコテカで個展を開催。白一色で塗られた絵画や立体作品、モーターを利用した作品を「具体」で発表する一方、「第1回草月実験映画祭」(草月会館ホール・東京、1967)や「現代の空間’68-光と環境」(そごう・神戸、1968)では映像や光による作品を発表するなど、「具体」の新時代を担うメンバーの一人として活躍、「具体」が解散する1972年まで会員として活動した。「具体」解散以降は、写真や映像、音などのメディアを用いた、空間や環境についての深い思索にもとづく作品や、パフォーマンスを含む身体的な表現を通して「空間」「時間」「現象」「存在」といった人間にとっての根源的な主題について考察する作品を数多く制作するとともに、街中の公共的空間に作品を設置する活動も行うなど、現在も国内外で精力的に発表を続けている。
 主なコレクションに、芦屋市立美術博物館、大阪中之島美術館、大阪府、京都国立近代美術館、滋賀県立美術館、東京都写真美術館、兵庫県立美術館、福岡市総合図館書、宮城県美術館、天目里美術館(中国)、アクセル・アンド・メイ・ヴェルヴォ-ルト財団(ベルギー)、ゲティ・センター(アメリカ)、ファーマサイエンス・コレクション(カナダ)、ラチョフスキー・コレクション(アメリカ) ほか多数。