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2018年3月3日
【一日だけの展覧会】告知文

2018年3月25日(日)に開催する【一日だけの展覧会「芦屋の近代 現代のとりくみ―当館コレクションより」】

当館ツイッターで随時本展の告知をしております。その内容をこちらのページでも紹介していきます!当日もたくさんツイートする予定ですので、ツイッターはもちろん本ページもぜひチェックしてくださいね!

みなさまのご来館をお待ちしております!!


※展覧会の詳細は⇒こちら

※当館ツイッターは⇒こちら



【2018/3/25 一日だけの展覧会】 【芦屋市立美術博物館】


1/3月25日(日)「芦屋の近代 現代のとりくみ-当館コレクションより」は、伊藤存、伊達伸明、中村裕太、福永信が当館のコレクションを選定、独自の解説を試みるという1日だけの展覧会です。開館中、展示作品が随時動く予定です。


2/本展は1日だけなのですが、準備は1年前から。これは初顔合わせのミーティング時の写真。
この日にタイトルも決まりましたが、まだ何をやるか全然決まってません。馬力を飲みながらスマホで大相撲の結果を見ているところです。


3/展覧会のタイトルは、なるべくつまらなさそうな題名になるように、というのが4人のもくろみでした。ふつうは面白そうと思われるようなタイトルを考えるのですが、逆転の発想でびっくりです。かえって気になりますよね?


4/逆転の発想といえば、「芦屋の近代 現代のとりくみ」展の最初のきっかけには、小出楢重のガラス絵の存在がありました。ガラス絵は、ガラスの裏側から描いていきます。プロセスが通常の絵と逆なんです。当日、展示する予定です。


5/伊藤存、伊達伸明、中村裕太、福永信のみなさんとは、メールのやり取りを頻繁にしています(現在もなお!)。みなさんのメールがとても面白いので、ちょっとだけここでご紹介しますね。


6/まずは昨年の春頃に行った当館でのミーティングの日の集合時間を決める時のメール。「ぼくは2時でも大丈夫です。花見客をかき分けかき分けしているうちに2時半頃になるかもしれませんが」(伊達伸明)。


7/それに応じる伊藤存さんのメール。「2段3段に折り重なった花見客を乗り越えて向かいます。時間は2時半頃でしょうか?」(伊藤存)。 当館は芦屋川の近くにあり、さくらまつりが有名です。この展覧会の頃が見頃かもしれませんね。


8/昨年のミーティングで、「展示作品を開館中に何度も掛け替える」という案が 4 人から出てきました。面白い案! だけど、作品の保護をどうするか美術館としては悩みどころ。ひとまず制限時間一杯まで前向きに検討しようとなりました。


9/引き続き、メールを紹介。昨年初夏のミーティング後の当館学芸員から→「なお、ちゃんこ打ち合わせの際に出た案の中にあった、〈何度も展示替えをする〉という件については、展示作業の専門業者さんに相談したところ可能だということでした」


10/中村裕太さんからすぐに返信メールをいただきました→「素晴らしいですねー。現実味が帯びてきました。そろそろ土俵をつき固めていければと思います」(中村裕太)


11/美術館では、作品の梱包、輸送、搬入、搬出の際に専門業者に依頼します。展覧会の影の主役ですが、今回は本当に「主役」に?「ちゃんこ打ち合わせ」とあったのは、打ち合わせがちゃんこ屋さんだったからです。もちろんいつもワリカンです(笑)


12/本展では膨大なコレクションから、伊藤存、伊達伸明、中村裕太、福永信の4人が、気になった作品を選びます。大変な作業で時間がかかります。でも、そろそろ決めないと、というそんな時期、みなさんからユーモアたっぷりのメールが届きました。


13/「こんにちは。東京巡業のためバタバタしておりまして、ご連絡遅くなりました。世間の相撲報道はやるせないですが、3月場所に向けての中村部屋新弟子一覧をお送りします」(中村裕太)


14/「スマホもいじらず新弟子選考に励んでいまッスが50人くらいの巨漢達を絞り込むのに苦労していまッス。もう少しお待ちください」(伊藤存) 「自分も遅くなっております。気持ちを切り替えて精一杯取り組みます」(福永信)


15/「音信不通の伊達伸明です。部屋にこもったきりでスミマセン。やっと親方の許可が出たのでメールします。うそです。部屋の新弟子候補は添付のとおりです」(伊達伸明)


16/当館コレクションから4人が選ぶ作品のことを「新弟子」と呼んでいます。最初のミーティングから、相撲用語が飛びかってました。この後も、相撲用語がますます多くなるので、私たちも勉強してます。チラシの写真も相撲を取ってますね!


17/伊藤存、伊達伸明、中村裕太、福永信の4人衆から、本展に関連するメッセージを随時、ここでご紹介していきたいと思います。ツイートの最後に名前を表示しています。


18/年明けから開催されていた東京巡業の物品が先ほど返却された。東京から運んできてくれたのは奇しくも芦屋場所の展示作業の専門業者さん。帰り際に芦屋での再開を約束して、九州に向かわれた。[中村]


19/稀勢の里休場。「1年を20日で暮らすいい男」とは、興行が少なかった江戸期に力士を羨んで流行った言葉。彼が土俵に上がったのはこの1年で30日強、「いい男はつらいよ」です。なのに私たち、展覧会を1日で済ますつもり。狡い男?[伊達]


20/今回は、館の膨大な収蔵品から4人がそれぞれ気になる作品を1年近くかけて選びました。気づいてみると私が選んだのは重厚なモノトーンのものばかり。下半身が安定したホネのある作品群です。立ち会いでの変化がないことは請け合います。[伊達]


21/相対性鑑賞論「クンズホグレツ(kunst hogretz)」。とかく構築的になりがちな作品鑑賞を能動的に解体するための異種格闘術。複数作品を組み合わせて互いに相手を基準に比較鑑賞してみよう、という意味だと思います。知らんけど。[伊達]


22/四つに組む、四股など、「四」にまつわる相撲用語は多いですが、寄り切りととったりを組み合わせた決まり手「よったり」は4人という意味。ちなみに福永、伊藤、中村、伊達の頭文字を並べるとFINDに。何か見つけられるのかよったり。[伊達]


23/昨日の「よったり」は駄洒落です。寄り切りととったりを組み合わせた決まり手なんてありません。[伊達]


24/昨日は打出小槌古墳から会場視察に来られました。千秋楽までいよいよあと9日。[中村]


25/蜜柑 金柑 酒の燗 /子供に羊羹 やら 泣かん /親が折檻 子は聞かん /田舎の姉ちゃん 気が利かん/相撲取りゃ裸で 風邪ひかん (大分県童謡)[伊達]


26/今回出品される小出作品に感化されて「はじめてのガラス絵」。逆順で絵の具を置く作業はわかっていてもストレスフル。最初に描いたもん勝ちの世界なので、Pole to Winにならぬよう輪廓は捨てました。会場のどこかにおいとこう。[伊達]


27/ごのせん(後の先)。まず相手のペースで飛び込ませ、逆にその勢いを利用して片づけるという達人の域を表す言葉。スロースターターの言い訳でも、結果オーライでもありません。うーむ、ガラス絵の工程とは相容れぬ世界観だ。[伊達]


28/ずぶねりという語感が好きです。[伊達]


29/この数年間で世間を騒がせた人の中で、決まり手としてもっとも鮮やかだった「肩すかし」は佐村河内守だと思う。世間を騙した部分ではありません。散髪して会見に出てきて記者が誰も気づかなかったところ。[伊達]


30/もし土俵が直径2mの田中敦子「WORK’91A」であったらどんなルールになるんだろう。立会いのぶつかりがもっとソフトになるか、尻相撲にルール変更になるか。そうなると貴景勝(芦屋出身)土俵下へのダイブがもっと見れますね。[伊藤]


31/本日、とつとつダンスで協働した砂連尾理さんとのイベントが茨木市で開催。仙台公演でパートナー不在のダンスを急きょ一人相撲に切り替えたのはスリリングでした。その時の私の役は演奏と行司制作。[伊達]


32/「人のふんどしで相撲を取る」とは、援助を受けるという意味ではなく、他人のものを利用したり便乗したりして仕事すること。美術でいえば、助成金で活動する、ではなく、他人の作品で展覧会をする、でしょうか。あれ?今回の…?[伊達]


33/先週末は伊達さんの「西成の世界的旅行」へ。西成のあれこれをA3サイズにパウチされた文献や図版を駆使して、見事な取り組み解説でした。[中村]


34/土俵をつくるときは、いつもこの4人に頼んでいます。


35/子供の頃「くるま」は車輪のことだと思っていたので、クルマで来たとかクルマが混んでるという言い方に違和感を感じたものです。それでいうと、本来「まげ」は曲がってるところだけを指すはずなんです。言えばキリない話ですけど。[伊達]


36/いよいよ今週25(日)開催です! 外看板にもどーんとチラシが掲示されておりますので、ご来館の際はぜひこちらもご覧くださいね!


37/本場所では、土俵の中央に穴を掘って、勝ち栗、塩、洗米、昆布、するめ、カヤの実をお供えする儀式があるそうです。芦屋場所の土俵は、近代に掘り起こされた古墳時代の土器片でできています。[中村]


38/伊達伸明さんが、拍子木を打っているところです。真剣に見守る、伊藤存さん、中村裕太さん、学芸員さん。このような念入りな準備を重ね、いよいよ本番が近づいてまいりました。日曜です。一人で来ても楽しい展覧会です。[福永]


39/立ち会い。繰り返し相手の出方を想定し、仕切ってはまた悩む。かち上げか張り手か、はたまた変化か。踏ん切りがつかないうちにかかる「待ったなし」はもう、かぎりなく決まり手に近い。明日はトーク当日、行司軍配返りました。うわー[伊達]


40/当日は1日中、伊藤存氏、伊達伸明氏、中村裕太氏、福永信氏の4人によるギャラリートークを行います。1日中、ずっと、行いますよ。休憩スペースも設けますので、お昼ご飯などもお持ちになって、ぜひお越しくださいね!


41/本日千秋楽です。4人そろって朝の10時から結びまでぶっ通しで取り組みます。一番一番っす。[伊達]


42/本日の取り組みには、芦屋ゆかりの作家が多数出品されます。「画家居住マップ」も活用していきます。みなさんのお越しをお待ちしています。[中村]


43/いよいよ、伊藤存さん、伊達伸明さん、中村裕太さん、福永信さんのトークが始まりました。4人のトークを少しだけ、ツイートしてみますね。


44/押し出したつもりが、押し出されていたというガラス相撲。小兵(14.5×23.4cm)ながらも、どんな巨漢も気がついたら土がついているのである。[伊藤]


45/23日付朝日新聞の折々の言葉は「公正であれば公平でなくてよい/山崎正和」。今まさに私達が取り組んでいる課題と重なります。「よしあしに関係なければ勝負はあってよい」。[伊達]


46/慣れぬツイッター、15日分書いてみましたが新入幕だけに字数オーバーで悪戦苦闘。入稿成績は5勝10敗。立ち会いの日付とタイトルの文字数を予測できなかったのが主な敗因とはいえ、まずはもっと身体を絞らねば。[伊達]


47/《漁夫(仮題)》吉原治良「超現実的な身体になっているわけで、本当はそんなに図太い腕ではないのかもしれない。だとしたら、やはりこの魚はイワシだと思う」[中村]


48/《会下山遺跡出土 装飾土器》弥生人「同じ文様の土器がほとんど発掘されていないので、結局は流行らなかったのだと思う」[中村]


49/「今回、具体の後期で、モーターを使って動く松田さんの作品を3つ選びましたが、そのうち2つが動かなかった。出品できませんでした。クヤシ〜!」[福永]


50/「でも、同じくモーターを使って動く、別の具体後期作家の2人の作品がありまして、これは動きました。その2つを友情出品で展示することができました。ウレシ〜!」[福永]


51/4人のフシギなトーク、聞いてると、まるでできたてホヤホヤの新しい作品みたいに見えてきて面白いです。4人のトークは、この後も、閉館までずっと続きます。


52/一日中ずっとギャラリートークが続いた一日だけの展覧会、大変な盛り上がりで幕を閉じました。お客様の笑顔がステキでした。作品たちもよろこんでいると思います。本日はお越しくださいまして、ありがとうございました!


53/伊藤さん、伊達さん、中村さん、福永さんもお疲れ様でした。一日だけなんて、もったいないなあ。またやってほしいな!


54/ご来館いただいたみなさま、本当にありがとうございました!写真は、開館中〈何度も展示替え〉をしてくださった展示作業の専門業者さんと、伊藤さん・伊達さん・中村さん・福永さんとのベストショット!